将来有望な若者は今・・・
「25年前のある暖かい春の日、ふたりの若者がそろってある大学の卒業式を迎えた。ふたりには多くの共通点があった。ともに成績優秀で、友達にも人気があり、将来への野心的な夢に満ち溢れていた。
そんなふたりが、つい最近、大学の同窓会のために故郷に舞い戻った。
彼らは相変わらず多くの点で共通していた。ともに幸せな結婚をし、子供も3人おり、そして、何と、卒業後は同じ会社に入社し、今もその会社で働いていたのだ。
しかし、ふたりには、ひとつだけ異なる点があった。
ひとりはその会社のある部署のマネージャー、もうひとりはその会社の社長であった。」
これは、ウォール・ストリート・ジャーナルのセールスレターのイントロ部分で、“ストーリー”を使った広告といった話では必ず出てくるほど有名なコピーです。
セールスレターの見出しは、以下
・何がその違いを生んだか?-違いは“知識”の有無にあった。
・他とは異なる編集内容
・知識は力である
・購読予約は28ドル
・成功への投資
と続きます。
「他とは異なる編集内容」のところで、はじめて
「株や金融のことだけではなく、あなたに必要なあらゆるビジネス情報を、あなたの必要な時にお届けします」
といった“売り込み”が登場します。レターの最初にこんな“売り込み”があったらどうでしょう。あまり読む気にはならないと思います。
“売り込み”は後にして、最初にストーリーで読者を惹きつける。物語は“広告”に対する人々のバリアーを解く魔法のような働きをします。
・・・で、TVでもお馴染み、物理学者の大槻義彦先生の登場(?!)です。広告はシダーズゴルフという会社の新聞の全面広告です。
ちょっと興味をそそられるヘッドラインに続いて、
・・・大槻教授のゴルフ物語が始まります。
「スポーツ嫌いの私が、ゴルフを始めたのが61歳。ゴルフ暦13年。最初はひどいスライスに悩まされた。が、スライスが出なくなる力学(モドキ)を駆使し、なんとか乗り越えた。では、「ドライバーの腕前は?」と尋ねられると「・・・・・・」。沈黙せざるを得ない。」
続いて、ゴルフを始めて、人間ドックの数値が各段によくなったこと。ゴルフを思う存分やりたいがために大学に辞表を提出してしまった(!)こと。さらに、そんな教授が出会った、アルマネオというドライバーに関する考察がはじまり、学者らしくゴルフを「科学する」くだりへと続きます。
最後は、そのドライバーの秘密について、納得の行く答えを得るべく「かくして私は、資料を送って欲しいと申し出た。さいわい、案内資料は無料進呈中だという。」というところに落ち着きます。
ちなみに、私はゴルフをしません。でも、最後までついつい読んでしまいました。ということは「飛距離」などという単語に異常反応するゴルフ好きの方々に限れば、もっと、もっと
「読まれる確率が伸びた!」
ということになるのではないでしょうか。
・・・さて、私のクライアントンにかつて、こんな経験をされた方がおられます。
「数字嫌いの私が、会社を始めたのが32歳。会社経営暦25年。
最初はひどい資金不足に悩まされた。が、
無駄な経費が出なくなる秘策を駆使し、なんとか乗り越えた・・・」
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