待ちの姿勢だけでは口説けない
2010年05月03日
店をかまえて、ただ、お客様を待っていても、なかなか儲からない時代です。そこで、こちらから出かけて行って、モノやサービスを「買ってください」というやり方があります。すぐに思い浮かぶのが
富山の置き薬。
先ず、薬を箱ごと家庭や事業所に預けておいて、後は、定期的に訪問し、使った分の薬代だけちょうだいするというシステムです。
この置き薬のテレビCMがあります。こんな感じです。
歴史はすごく古くて
「1639年に加賀藩から分藩した富山藩は多くの家臣や参勤交代・江戸幕府の委託事業などで財政難に苦しめられていた。そこで富山藩は加賀藩に依存しない経済基盤をつくるために売薬商法を武器に起死回生を図ろうとした」
ことがキッカケではじまります。
先に商品を与えて、後からお代をいただくというシステムを「先用後利」と言い、
「『用いることを先にし、利益は後から』とした富山売薬業の基本理念である。創業の江戸時代の元禄期から現在まで脈々と受け継がれている。始まりは富山藩2代藩主の正甫の訓示『用を先にし利を後にし、医療の仁恵に浴びせざる寒村僻地にまで広く救療の志を貫通せよ。』と伝えられている」
・・・そうです。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
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先に与えて、あとから「利」を取る-というマーケティング手法がさかんに言われますが、実は、江戸時代の昔から、日本ではしっかり行われていたということですね。
そして、この「置き薬商法」は、現在の日本でも、形を変えてちゃんと生きています。
「オフィスグリコ」です。
お菓子の専用ボックスや、アイスクリームの専用冷凍庫などをあらかじめ職場に設置します。後はグリコのサービススタッフが訪問して商品の補充や代金の回収を行うというサービスです。
まさに置き薬のお菓子版です!
他にも・・・
様々なメーカーの飲料を冷蔵ケースに入れてオフィスに置いておく「セルフ茶屋」というのもあります。
また、福岡市中央区に本社を置くキューサイは
「・・・11月から都心にある各企業のオフィスに、従業員が自己申告でお金を入れて自由に購入できる“置きサプリ”を設置する事業を始めた」
そうで
「目の疲れにいいというブルーベリーや疲労回復を促すアミノ酸入りのもろみ酢。女性向けにコラーゲンを含むヒアルロン酸など計6種類のサプリがどれも1包、100円。会社の休憩所や空いた机に小型の陳列ケースを置くだけで設置料は無料」 だそうです。
(産経新聞 2009.12.14の記事より抜粋)
江戸時代に始まった置き薬商法が今や、本家本元の“薬”はもちろん
お菓子に飲料、サプリメントと様々なものに変身して生きています。
日本ならではの伝統的“マーケティング手法”
健在なり!です。
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Posted by 税理士のさかもと at 09:42│Comments(0)
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